Genoa (ジェノヴァ)の高架橋
1年と8か月前、高速道路橋が倒壊したジェノバ。
驚異的な速さで橋を再構築(別形式で)、道路開通の運びに。
何度もVTRを見ましたが、橋の崩落は悲惨な状況でした。
この橋は画期的な橋形式で、橋の本に載る常連さんで、この橋を真似した(同じ設計者含む)橋が世界各地に数橋あります。
「リダンダンシーがない形式」といいますが、どこかが壊れたら全体崩壊する形式でした。一見、合理的な技術にはこういった脆さがあります。
Youtubeにはこの橋の架け替えに際して、提案された橋の案が投稿されています。
上記には3案しめされていますがいずれも没になった案です。
うち、2案のスクリーンショットを示します。①斜張橋案と②アーチ橋案です。
どちらも形式としては成立しますが、1年8か月で完成した原案に比べると、工期と工費の面で劣ります。
構造的には成り立ちますが、無駄が多すぎます。
塔を斜めにすると格段と施工が難しくなり、架設に時間がかかります。
見た目はいいですけどね。時間もお金も莫大にかかります。
この吊り材の張り方は独創的です。でも、これも架設が非常に面倒そうです。
現地に再構築された新しい橋です。構造形式に言うとある面オーソドックスなものです。工期をお金で買うといいますが、地元経済を考えれば、欠落した高速道路ネットワークを早急に復旧することが第一でしょうから、ちょっと割高でも十分説得力のある橋梁形式になっています。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。