タイ国内旅行 27 北部低地 ⑧
サワンカクロークの吊り橋
サワンカクロークはタイ国鉄サワンカクローク線の終点で、1日1往復、チェンマイまでの特急列車が立ち寄る盲腸線の折り返し駅がある街です。
宋胡禄~すんころくという焼き物の故郷です。室町時代あたりの茶人に好まれ、日本に随分輸出されたようです。
この吊り橋はなかなか立派なものです。
通常、細い鋼線を撚り合わせて作った線をさらに何本かより合わせた「ワイヤーロープ」で吊り橋を作ります。ワイヤーロープはクレーンなんかで物を吊り上げるときに使うものですね。
一般的な材料なので小規模吊り橋に多用されますが、伸び縮みがあったり、通常裸線で用いられるので錆びたりします。
この橋は3mm程度の素線(ピアノ線)を7本組で撚ったPC鋼撚り線を1本あるいは数本を束にして、ポリエチレン被覆したり、ポリエチレン管に挿入してケーブルとして使用しています。、、、本格的な吊り橋と同じような材料で建設されています。
自動車は走行禁止。
黄色いポリエチレン管の中に、多分12.7㎜のPC鋼撚り線が10~15本?くらい入っているはず。PC鋼線は高強度で伸びが少ないので、多少の荷重では伸び縮み量は小さく、揺れが小さくなります。
2552年(西暦2009年)完成。橋の名前を直訳すると、「サワンボラヨックラムルック橋」、適切な訳が思い浮かびません。最後のラムルックは奪還という意味。
一つ一つきちっと作られた吊り橋です
屋台のバイクが通過できる程度の幅員。
柵はステンレス製。手すりは木材が使用されています。必要強度を鋼材に持たせ、インターフェースのところを暖かい感じがある木材で仕上げています。
下2段はワイヤー。ちょっとこのあたり、高所恐怖症の人間としては、もうちょっとしっかりと「視界を遮る」というか、「落ちないよ」というアピールが欲しいところ。
ケーブルとハンガーの取合。ポリエチレン管を傷めないような配慮がされています。
ハンガーはポリエチレン被覆されたPC鋼撚り線。太陽の陽を浴びて撚り姿が見えています。
横風による揺れを防止する耐風索もポリエチレン管に入ったPCケーブルになっていて、耐風索と補剛桁を連結するケーブルもPC鋼撚り線が使われています。
決して、わざと破壊した、、、わけではありません。亜鉛メッキされた素線を撚っているようです。
側面から見たものです。耐風索は大風の時に大きく揺れるのを防止するためのものなので、通常だと、ダラリとなっていますが、本橋ではピチピチに張っていました。
PCケーブルで耐風索を作っているので、ケーブル端でグラグラ動くのを設計者は嫌ったのかな?
床版を支える補剛桁は橋軸方向に繋がっている必要はないので、簡単な形で連結(ピン構造)されています。
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