タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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タイ国内旅行 29 カオソック国立公園 ⑧

ブンスーンアイアンブリッジ(その2 吊り橋編)
吊り支間53mの鋼吊り橋

 南国の太陽、しかも正中直後、橋のコントラストがうまく出ていません。
 まあ絵柄的にはその甲斐もあって、アイアンブリッジという名前にぴったりの黒さが強調されています。

 支間53mの吊り橋にしては太径のワイヤーを使用しています。


 主塔頂部はワイヤを乗せているため大きな下向きの力を受けます。タイのほかの橋だと、その下向きの力を直接主塔で受けるために、柱直上でワイヤーを通す形にしています。この橋では、横梁上の主塔から内側に寄った位置でワイヤーを通しています。このようにすると横梁を曲げる力が作用するので横梁がゴツクなり、これに応じて柱部材も太くなります。


 この橋の場合、支間が53mと短く、歩廊は薄い鋼板で作っているので全体的に軽量で、横梁断面を気にせずにワイヤーを内側に寄せることができたようです。このため、ワイヤーの面とハンガーの面が一致するので、吊り橋内の風景がすっきりしています。

 キャンバー(道路の高さ)が橋中央で落ち込んでいます。通常、橋は、若干、上凸で仕上げます。人や車が乗れば若干下側に撓みますし、撓んでいると不安に感じる人が多いからかもしれません。


 多分、架橋当時から撓んでいたのではないかと思われます。最終的に橋げたが吊られた状態でどのような形状になるかを予測し、沈み込む量を見込んで橋桁を橋を架けていきます。その辺りで見込み違いがあったのでしょうね。 

 吊り橋部の桁高と高架橋部の桁高が倍半分違うので、斜路が出来ています。
 斜路側面に塗装が残っています。


 コンクリート主塔の横梁が反対側に突き抜けています。横梁主筋の定着長さを確保するためなんでしょうか?あまり日本では見ない形状です。

 ワイヤーとハンガーの取合はすっきりしています。ハンガーは鉄筋(丸鋼)です。

 手前側は高架橋部同様、端尺の板を溶接で継いで1枚物にしていますが、写真奥の方は1枚物で、しかも穴の開いていない板を使っています。補修で作り直したのか、当初からなのかは不明。

 表面は摩耗していますよね。特に補修した継板の角など見ると丸まっています。対照的に走行路ではないところは、継板も角ばったまま残っています。


 まあ、鋼もこれだけ使われれば本望というもの。

 支間中央に向かって一直線に下がっています。こういう橋を見ると、どうやって架けたのか、機材は?架設ブロックの大きさは?などと考えてしまいます。


 下横桁というか薄い細い部材で左右トラス桁を繋いでいますが、詳細に見ると、1本で繋いでいるところと、2本で繋いでいるところがあり、2本のところがブロックの切れ目とすると、ハンガー2個分ごとに架設したことが読み取れます。

 吊り橋補剛桁。全体的に薄く塗膜が残っています。これに応じて鋼材腐食も抑えられています、、、改めて防食が大切なことがわかります。


 トラス桁にロの字の耳をつけて、それを吊り上げる構造となっています。ハンガーは丸鋼で耳に溶接付けされています。横桁は平鋼です。


 構造的には引張力にしか利きませんが、それでもいいのかな? 

 左から女性一人、右から親子3人乗りのバイク。
 女性は橋の入り口までバイク二人乗りでやってきて、そこでこの女性はバイクから降り、先にバイク+運転手が橋を渡り終え、女性はテクテク300mの橋を歩いてきたところ。


 他方、親子3人乗りはそのまま吊り橋も含め、全区間をバイクで走行。


 橋路面の状況を見ると、バイクで凹ッと穴を開けた損傷が多くあり、ガスパイプ一本の手すりしかない橋ですから、転倒即、橋からの落下となりうる状況。その辺を知っている人は二人乗りは避けたいのでしょうね。

 橋を渡り終えたところに、廃工場。かつてのブンスーン鉱業所の工場です。現在も道路は工場敷地内を通っており、もともと社員用に作られた橋なので、夜になると工場の扉は閉じられ橋の通行が出来なくなっていたようです。


 現在は、橋に照明がついていますので、夜間でも通行は可能のようです。