ガロア理論
今年の、京都大学理系数学 第一問は、次のとおりでした。
某予備校での評価は「やや難」でしたが、本当に「やや難」なの?と思っています。
この3次方程式をf(x)とすると、3次関数でx→∞でf(x)→∞、x→-∞でf(x)→-∞、すなわち、f(x)=0は必ず一つは実数解を持つわけです。可能性として3つとも実数解もあり得ますが、複素数平面上で正三角形の頂点になるとありますから、仮に3つとも実数だと実軸上に数字が並んで三角形はできませんから、一つは実数解、他二つは虚数解であることが示されています。
二つの虚数解は共役複素数であり、α=p+qi、β=p-qiとなります。これは複素数平面上で実軸に対して対称な位置にあります。すなわち、図に示すと次のようになります。
ここで点α、β、γが正三角形の頂点ですから、
αβの距離2pは題意より√3aです。
また、|γ-p|=3/2aです。
3次方程式の解と係数の関係から、
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=b
αβγ=-1
が言えるので、aとb、3つの解が求まります。
京大理系の数学は150分で大問6つを解くので、平均1問当たり20分掛けられますが、多分、上の図がスパッと思い浮かべられれば、10分で解けるんじゃないでしょうか、、、。
種明かしをすると、このところ、ガロア理論の本を読んでいて、ほぼ挫折気味です。
現在読んでいる本
本書は以下の6章構成で全92セクションに分かれています。
1セクションは見開き1ページで、左側に本文、右側に図解、実例等があります。
星取表にはグレーの網掛けを入れた計17セクションがありますが、これは関連事項であり読み飛ばしてもゴールにたどり着けるとのことで、パッと読んでわからなければ、そのまま放置しています。
第1章 数、そして方程式の誕生
第2章 方程式の解法をめぐって
第3章 複素数と代数学の基本定理
第4章 超越数とギリシアの三大作図問題
第5章 置換群と方程式の解法のからくり
第6章 5次方程式の解の公式がないことを理解する
星取表に示すように、第75セクションまで読んでいますが、章だと第6章の中頃です。
この本のゴールは、第6章の章題にあるように「5次方程式の解の公式がないこと」を理解することで、第5章では、2次方程式・3次方程式・4次方程式の解の公式をそれぞれ示し、なぜ次数4までの方程式には解の公式が存在するかを説明しています。
ここまでたどり着くまでに、延々と、方程式の解についてお勉強しているので、上記、京大の問題も、何となくさらりと解けてしまいました。




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