タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

Pattayaでのリタイヤライフです。旅行/日常生活/ゴルフ/鳥見/タイ語学習

教養に憧れた時代

 岩波新書の帯。


 この写真、確かに「誰もが教養に憧れた時代」なんでしょうが、1947年に生きるのがカツカツだった庶民が、岩波書店の周りに泊り込んでまで「西田幾多郎全集」を買いたかったか?と、冷静に考えると、違うんじゃない?と思うわけです。


 西田幾多郎の「善の研究」は読んだというか、読もうとしたことはありますが、全く歯が立たなかったことだけは記憶しています。


 この写真が撮られた1947年は125%のハイパーインフレを記録した年であり、お金持っている人は何かのものに変えて持っておきたい、、、という時代だったからでは、と思うわけです。西田幾多郎が何たるかを知らずに、持っていても紙屑のようになってしまう紙幣を、なんらかの有価物に変えたい、それがたまたま西田幾多郎全集だったというだけでは?


 ともあれ、自分の身を振り返れば、「教養に憧れた時代」は確かにあり、意味をほとんど理解できないまま、岩波文庫を読んでいたり、音楽だ、美術だ、能だ狂言だと手あたり次第見ていた時代は、確かにありました。


 今、成田近郊で自粛生活を行っているわけで、鳥見の散歩はするものの、残りは狭いホテルで過ごす毎日です。本は随分手元にあるのですが、ちょっと堅めの本を読みたくなっています。