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棋士の第一感

将棋竜王戦第4局 豊島竜王対藤井三冠の初日の最後の方の局面。

 

 左が72手までの局面で、豊島竜王の手番。
 コメント欄に、畠山八段の言葉として「第一感は☗4五銀でしょうか」。
 第一感だから、最初に思い浮かぶ手はという意味で、深く考えたら変わるかもしれません


 顔写真の下に%が表示されていますが、「評価値」と呼ばれるもの。
 コンピュータソフトが局面を評価して、どちらが優勢かを示したものです。
 豊島:藤井 56:44で、豊島竜王がこの局面では若干優勢という評価を示しています。


 右が73手目、豊島竜王が畠山八段の第一感である☗4五銀を指した局面です。
 畠山八段の感覚と豊島竜王の読みが一致していたわけです。
 豊島竜王はぽっと思いついて指したわけではなく、39分間考えたと表示されています。
 その結果の評価として、豊島:藤井 42:58。藤井三冠が逆転しました。


 

 上記は同じ73手目を「水匠4改」という、現在最も強力な将棋ソフトで解析させた結果で
 第一候補は☗3九飛車で、これを含め7つの候補が並んでいますが、
 畠山八段の第一感でかつ、豊島竜王が指した☗4五銀は、候補にすら入っていません。


 第一感として示した手が、棋界最高峰の豊島竜王が39分間考えて指した手であることは、
 素晴らしいことでありさすが畠山八段であるわけですが、
 それをコンピュータソフトに掛けると推奨手にもならない悪手と判定される現実。


 実際には、そういった、人間の感性とコンピュータが示す好手がずれる局面に、
 藤井三冠が誘導したわけです。


 この対局では豊島竜王が先手番で、角換わりという戦型になりました。
 将棋は先手の方が有利で、藤井三冠にしても先手勝率>後手勝率であるわけで、
 この対局も、後手藤井三冠が若干不利な状況で初日の将棋が終わろうとしていました。
 コンピュータが示す最善手をあえて指さず、豊島竜王が判断を誤りやすい局面に誘導した
 藤井三冠のワザみたいなものが、初日の将棋から垣間見えました。