Wat Phrathat Dum
サコンナコンはクメール時代も行政の中心だったようで、
市内にはクメール遺跡が残っています。
クメールの塔を本尊とするかのように、現在の仏教寺院が立っています。
こちら側から見える壁の向こう側に仏像が鎮座していますので、
見かけ上、クメールの塔が奥の院のような位置取り。
塔、左側面に残る、「まぐさ石」。
塔は正面からしか入ることはできませんが、側面には偽扉があり、その上部を飾るもの。
塔そのものは煉瓦で出来ていますが、まぐさ石は砂岩を刻んで出来ています。
象や獅子が彫刻されています。
塔の右側側面。中央部が窪んで見えますが、偽扉の跡だと思われます。
今でも、建築家は、のっぺりした面を嫌い、表面を荒らしたり、凸凹やストライプを入れ
単調を避けます。古代クメールの建築家も、煉瓦をただ単に積むのではなく、壁面に
陰影をつけて、意匠としています。
正面から見た図。
煉瓦が崩れアーチ屋根が失われています。
自然と崩れたわけではなく、推測ですが、屋根に土砂が溜まり、草が生え、
小さな木が生え、根が煉瓦の隙間に入り、隙間を押し広げ、雨が浸入し、、、、と、
やがて崩壊したのだと思われます。
結局、周辺住民の関心を失ったから、手入れもされず崩壊したのだと思います。
今でこそ、またこのように、思い思いの信仰対象を持ち寄って祀っていますが、
1000年近くの時を経ていますので、いろいろなことがあったのでしょう。
集落の中にのみ込まれてはいますが、上図の敷地はほぼ原形通り残っています。
上図、左1/3くらいに祠堂が立っていて、南北に池があります。
ちなみに、クメールでは祠堂は東面するため、池は敷地の南北に作られています。
上図の中心部が、現在の仏教の本殿辺り。右側は駐車場等で敷地は残っていますが、
過去を示す遺構はありません。
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