タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

Pattayaでのリタイヤライフです。旅行/日常生活/ゴルフ/鳥見/タイ語学習

Phrathat Narai Cheng Weng

サコンナコン市内に残っている、クメール寺院の内の二つ目。

 赤砂岩とラテライトで積み上げられた石の祠堂です。
 基本的に、材料は地産地消というか、近場で調達するものでしょうが、一般に赤砂岩は
少なく、彫刻加工などの部材にしか用いられませんが、この祠堂は壁面から上部で赤砂岩が
用いられています。

 祠堂入り口の屋根もアーチで出来ています。西洋風のアーチと違うのは、石を左右から張
出して作る迫り出しアーチという点。ペルシアは西洋風のアーチで、インドは迫り出し式で
す。タイはインド文化圏なので、建築もインドに倣います。

 まぐさ石(長方形に側面が見える石)と、アーチの奥にある面に刻まれた彫刻。
 まぐさ石の左側は汚れがなく、彫刻がよく見えて良さそうですが、実は、日々雨だれに当
たって、キレイになっているだけで、他の場所より浸食が進んでいます。
 砂粒が寄せ集まってできた砂岩なので、やがて風化して、見えなくなってしまう彫刻です
 もう20年以上前に、インドへ旅行した際、カジュラホの石造群が酸で洗われて真新しくな
っていました。見栄えはよくなりましたが、遺跡をすり減らしているだけ。タイではそのよ
うな愚かなことは見ていません。

 祠堂側面。偽扉という、見せかけの扉があります、、、扉は開きません。のっぺりした石の
面は単調に見えるので、デザインとして偽扉が刻まれています。
 日本だとあまり見ない意匠ですが、ヨーロッパなどでは、民家などで、窓が壁にかかれて
いる場合もあります。

 非常に精緻な彫刻が残っています。上の彫刻が円弧状の表面を持つ石で下から支えられて
います。このデザインが創建当初のデザインならば、前の示す正面、側面のまぐさ石の上に
取り残されるように残っている石の存在が理解できません、、、崩壊していたものを積み直し
たようにも見えます。

 他の面に比べると手を抜いたようにも見えるまぐさ石の彫刻。
 携わった職人が違うのか、もともとのデザインなのか?

 後ろ正面から見た図。この寺院も、この仏塔を本尊のような形に扱って、本堂を隣接して
作り、仏塔の前立のような形で仏像を配置しています。
 多分、宗教上のつながりは全くないと思いますが、荒れ果てた仏塔を修復して、奥之院のような形で祀っているようです。

 寺院内に保管されているピース。これらが仏塔の一部なのか、あるいは他の建物の部材な
のか、もうわかんないのでしょうね。