耕作式の日
「こうさくしきのひ」で自動変換されますから、耕作式の日という言葉はあるようです。
昨日は東南アジアの仏教国では仏誕節(灌仏会)で、祝日になっているところが多いよう
です。実際のところは旧暦の満月の日らしく、多少日付はズレるようですけど。
タイではウィサカブーチャといって仏の誕生を祝う日です。
この日、タイ王室では「耕作式」という行事を行います。
タイ語では、วันพืชมงคล(縁起の良い植物の日)と呼ばれているようです。
王宮前広場に設けられた疑似田園で、牛が田んぼを耕す儀式です。
タイ全土に生中継されます。
日本の皇室もそうですが、暦を作ることは、王権にとって大切なことです。
暦によって耕作を開始する時期がわかり、実り大きな国になるからです。
この耕作式は、臣民に対して、今の時期から耕作をすればよいと、知らしめる儀式です。
実際の気象予報でも、タイでは5月13日から雨季に入ります。
田んぼに引き入れる水が豊富になる時期なので、現実の暦とも合うわけです。
田を耕した後、牛には米、トウモロコシ、インゲンマメ、ゴマ、牧草などが与えられます
牛が何を食べるかで、暦博士とブラミン(バラモン教の僧侶)が吉凶を判定します。
今年は水、草、豆、酒を選んで布を引張ったのだとか。
・食物、水に恵まれる。
・経済は改善、外国との往来が盛んになり、商売繁盛。
・雨多く、低湿地で被害あり
とのこと。
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上記を読んで??と思う方もいると思います、、、タイは仏教国なのになぜ、バラモン教?
バラモン教は、タイに仏教が伝来するまでタイの人が信じていたインド由来の宗教です。
現在、タイ人の95%は仏教徒といわれていますが、タイの習俗にはバラモン教由来のものが多く残っています。
例えば、タイ国王は仏教徒ですが、同時に「王は神の化身」「国王=神」という
バラモン教的な統治が基本となっています。
仏教はもともと、階級制度の厳しいバラモン教に反発してできた平等を説く宗教ですが、
それだけだと臣民の上で国王が統治するという仕組みが成り立たないので、臣民の生活に根
付いたバラモン教的な考え方を国家仏教が取り入れた、、、ということのようです。
各時代の天皇が仏教に深く帰依しながらも、
天照大神の伊勢神宮をはじめとする神道が天皇の正当性を主張する、、、
ということと同じ文脈のようです。


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