覚えられなかった文字・・・タイ数字（３） | タイの国で感激したこと

　タイの数字でゼロは〇、丸を書きます。ゼロはスーンと発音します。ゼロを発明したのはインドであるといわれ、タイは文化的にインドの影響を強く受けています。

　上のバンプラパーさんの指数字。ゼロを示しますが、日本だと指でどうやって、ゼロを示したっけ？と思ったのきっかけでした。

　ゼロをインドサンスクリット語では、शून्य(シューニャ：śūnya)と書き、タイ語のスーンという発音はまさにこれから来たのでしょう。原語では膨れ上がったとか、うつろなを意味するそうで、空、何もないという意味になるようです。

　インドでゼロが発明されたのは紀元400年頃のことといわれ、多分、仏教を介して、日本にもゼロが伝わったのではないかと想像されますが、空という概念は定着したものの数字のゼロは実生活では使われなかったのだと思われます。

∵ 日本の指数字だと、１，２，３、、、と指を一本ずつ立てていきますが、ゼロを示す指数字は？と問われると、ちょっと悩みます。指を全部折ったグーをゼロの符丁とする業界もある様ですが、少なくとも私は使ったことはありません。また数字を漢数字で記載するときもゼロは省いて書いています。
　

　仙厓「これくふて御茶まひれ」

　タイ数字でゼロを〇と書き、これが空を意味する､､､と考えた時、真っ先に思い浮かんだのが、仙厓の円相図です。禅画で〇を描くことを円相といいます。

　仏教によれば「一切が空」なわけで、この〇は、空を表すのでは？と、いろいろ調べると、wikiに「悟りや真理、仏性、宇宙全体などを円形で象徴的に表現したものとされる」とあり、宇宙全体までも含めたものを表す､､､ということは、ゼロ・空とは真逆だな､､､と思った次第。

付けたし）
　時計の文字盤は12時の次が1時です。なぜゼロ時ではないのか？､､､、
　キリスト教の影響を強く受けたヨーロッパでは、17世紀の頃まで、ゼロ､､､空を主張することは神を冒涜することで、最悪、火あぶりの刑に処せられたようです。「神は無を嫌う」という思想があったようです。