タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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鑑真が伝えた戒律=現代タイ仏教の戒律

 この動画を見てある面びっくりしたのが、奈良時代に唐僧鑑真がはるばる海を渡って日本にやってきて伝えた「戒律」なるものが、現代のタイ仏教で適用されている戒律とほとんど一致しているということです。


 戒律は仏教徒と仏僧が従うべき生活規則なんですが、そもそも鑑真がやってきた理由の一つは、日本に仏教が伝来して仏教寺院が出来て仏僧が数多誕生した中、自称仏僧たちが多く誕生しなおかつ政府が認める正規の仏僧にしても仏僧が守るべき規則に準じた修行なり生活を行っていないという当時の状況があったから。
 そして仏教が定める戒律を学び会得して、仏僧たちを教導できる立場の人間を養成しなければならない,,,という国としての要請があったからと言われています。


 仏僧たちはサンガと呼ばれた「修行道場」で共同生活を行うわけですが、
① 共同生活を乱すような行動を戒め、規則を破ったものは他の僧の修行の障りになるため、最も厳しい場合はサンガから追放する
② 仏僧たちは基本的に労働しないため、生きていくためには周辺住民から施しを受ける必要があり、そのためには厳しく身を律して施しを受けるに足る集団/人物であることを示さなければならない


 という理由で戒律が定められています。


 また戒律そのものは膨大な「解釈」からなるため、これを正しく理解する「律師」を養成し、仏僧たちの生活が戒律に則っているかどうかの判断をして、サンガ = 教団が上記①および②を正しく実行できるようにしていく,,,ということで戒律を熟知した人が必要になった。
 鑑真はまさにその理由で日本に招かれたということになります。
 鑑真は教育者であったわけです。


 本動画では戒律のエッセンスが解説されていますが、驚くべきことに現代のタイ仏教で適用されている戒律と同様の内容が、まさに鑑真が伝えたものであるようです。


 日本仏教は最大の破戒である「妻帯」が許容されていて、もはや戒律で身を律して修行に励むなどということは、ほんの一部でしか行われていません。


 対してタイでは、建前的には鑑真と同じ時代の戒律が守られていて、仏教徒は厳しく身を律している仏僧たちに毎朝タンブンするわけです。
 タイの仏教が今のまましばらく続くのか、衰退するのかわかりません。
 また歴史的に見れば仏教が衰退した時期もあり、また隆盛を極めた時代もあります。


 所詮私には関係のないことですが、鑑真の時代から延々と伝えられた戒律がまだタイに生きているということを考えれば、タイ仏教は日本仏教より長く社会規範として伝わっていくのでしょうね。