タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

Pattayaでのリタイヤライフです。旅行/日常生活/ゴルフ/鳥見/タイ語学習

アユタヤ行⑧

名もない遺跡ではあります。アユタヤ王朝は1351年-1767年と400年近く都があったとされています。これだけの状態だとアユタヤ後期のものです。古い建物がそのまま残っているということはないようで、どんどん改築されてしまいます。


 見て面白いのは、中央の開口部、、、多分窓の部分は丸いアーチで仕上げています。対して下の部分にある出入口?は尖ったアーチで作られています。

アユタヤはというか、タイはインド文化圏なので、アーチはせり出しアーチに拘っています。レンガの積み方を見るとわかりますが、左右からせり出しています。順当に作っていくと、尖がったアーチになります。

漆喰の塗られていない側面の「丸いアーチ」ですがレンガの積み方を見ると、これもせり出し式であることが分かります。力学的にいうと無茶な積み方ですが、アーチの大きさが小さければ、このような見た目丸いアーチをせり出し式でも作れる、ということなんでしょうね。
 
 丸いアーチだとアーチ支間(下の空間の幅)を大きくとれるので西洋では丸いアーチを使うわけですが、タイではそういう需要がなかったということなのでしょう。
 究極は屋根材をアーチ構造にするわけですが、タイでは屋根は木製です。熱帯で良質な木製の梁材が入手できたということなのでしょう、、逆に、木なので腐りやすく、現在では屋根がない状態になっている、ということなのですが。

ちょっと構造から離れて、、、。これなんか、タイ風のデザインではないですね。草を使うのはイスラムっぽいですが、隣国マレーシアがイスラム圏ですので、文化としてのイスラムは当然、アユタヤに入ってきたのでしょうね。

再度、構造の話。入り口の上部が水平になっています。

タイというか、ビルマラオスあたりだと、硬木が入手できます。硬い分厚い木の板を梁状に渡し、その上にレンガを積んでいます。
 上のレンガはどう補強しても引っ張り力には耐えられないので、重しにしかならず、構造的には役立っていません。


 構造的に意味がないというか、エンジニアの努力が見られない建物ですね、、、


 エンジニアって、制約条件があるから頑張ります。インドもタイも絶対王政で、金は有り余るほどあり、材料を少なくして経済的に作らねば、などという発想はないみたいです。そうなると、こんな作り方でも許されるというか、技術的発展がなくなるわけですね。