ナコンラチャシーマ あるいはコラート
タイには67県の地方行政体がありますが、ナコンラチャシーマ県はタイ東北部にありこの地図を見ると巨大な県であることがわかります。
バンコクからタイ東北部に行く場合、またパタヤからタイ北部東北部に向かう際、このナコンラチャシーマ県を通過することになり、パタヤ在住の私にとってなじみ深い土地です。
実はタイに来た当時、このナコンラチャシーマについて、「ナコンラチャシーマ」という地名と「コラート」という地名が使われていて、非常に混乱しました。
Googleマップで検索するとナコンラチャシーマでもコラートでも、このナコンラチャシーマが出てきます。でも地図上の地名はナコンラチャシーマなので、こちらの方が正式名称なのだと思います。
私は今まで、ナコンラチャシーマは新しい名前で、コラートが古い名前なのだと思っていました。
タイの地名はいろいろと複雑です。
タイの首都バンコクがありますが、バンコクという地名は英語文脈でしか現れません、、、タイ人は基本的に使いません。
タイ人はバンコクのことをクルンテープとか、クルンテープマハナコンといいます。
よく知られていることですが、バンコクの正式名称は32の単語が連なる非常に長いものなので、その冒頭の言葉、あるいは二つ目までを使ってクルンテープ(天使の都)あるいはクルンテープ・マナナコン(大都市天使の都)と首都を呼んでいます。
タイの主要都市の名前は、一種の雅称が与えられています。
世界歴史遺産アユタヤはバンコクからの日帰り観光地として有名ですが、この街の正式な名前はプラナコン・シーアユタヤで訳すると神の都市・高貴なアユタヤとなり、またアユタヤそのものは難攻不落の都とい意味があるようです。
長らくナコンラチャシーマについてモヤモヤ感があり、今朝これについて調べたところ。
苦労してタイ語版ウィキペディアのナコンラチャシーマの地名由来を読解
・ナコンラチャシーマは「王国の端にある大都市」という意味である
・当時アユタヤに置かれていたタイ王朝が東方に勢力を拡大する際に、クメール(カンボジア)の支配下にあった土地を侵略し、軍事拠点を作った際に名付けられたもの
タイはタイ人の国なのですが、タイ人って何?というといろいろと複雑な話になります。
タイの主要都市は中国系の人が北から東からやってきて作った街なので、タイ人に占める中国系の人の割合は多く、かつこれらの人は経済的に力があるので「タイを支配している」状態です。
一方で、ナコンラチャシーマ以下、タイ東北部にはカンボジア系住民やラオス系住民がいて、これらの人も等しくタイ人なのですがアイデンティティとして「俺はカンボジア系/ラオス系」としての意識が高いようです。
コラートという地名の由来にしても二つの流れがあるようで、
① コラートはナコンラチャシーマの短縮形であるという説
ナコンは町という意味である。
ラッチ+シーマがコンフラットになりコラートになった
② コラートはアンコール・リアジというクメール時代の地名に由来するという説
リアジがリッチになりコラートになった
この由来を調べる際、当然、日本語版の「ナコンラチャシーマ」を第一に調べたのですが、地名の由来は載っていませんでした。
多分、日本語版ナコンラチャシーマをまとめた人は、タイ語版ナコンラチャシーマを参考にしたと思われますが、何となく「民族対立」的なところに踏み込まないように記載しなかったのかな、、、と思います。


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