タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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書札礼

 書札礼(しょさつれい)とは手紙/通知文を書く時の礼儀という意味のようです。
 辞書を引くと1200年代に公家の書札礼が文書化され、順次武士社会でも書札礼に則った礼儀で文書のやり取りをしていたとのこと。


 一般に荒くれ社会と思われている戦国時代の諸国の合従連衡も、書札礼に従った文書のやり取りができたかどうかで、同盟関係が変わったようです。


 今川義元が桶狭間で死んだあと、急速に今川が衰えたのは、義元と同じ時に祐筆と呼ばれた文官が多く死亡し、その後の今川はまともな文書のやり取りができなくなり、時に相手を軽んじたり侮辱したりしているように受け取られかねない文書しか出すことをできなくなったからだ、、、とも。


 また上杉はその実は越後土着の勢力ですが、室町以来の上杉の名前を譲り受けてから気位だけは高くなり、上杉家を下に見るような文書が送られてくると返事すら出さなかったとのこと。

https://www.youtube.com/watch?v=vH8XG-Iod9E
 「応仁の乱」で有名な呉座勇一さんが運営しているYoutubeで、NHK大河ドラマで「古文書考証」を担当している大石泰史氏を招いた回。何度も見返していますが面白い番組です。


 書札礼に関する私の知識は、「殿」という漢字を相手によって書き方を変えるという程度のレベルですが、
① 文末の日付の位置に対して、送り先である相手側の名前を高く書くか低く書くか、すなわち相手の名前を段下げするかちょっと上げて書くかにより、自分が相手をどう見ているかを表わす。高めに書けば相手側を敬い自分をへりくだる意味が出る。低く書けばその逆で相手が格下あるいは臣下等であることを明示している。


② 自分の名前に花押(サイン)を書くか印判を押すか。一般に花押の方が丁寧と思われている。ただし江戸も家光以降になると印判が一般的になる。信長の天下布武の印は文字の意味もさることながら、印を押すことで「お前はワシに従属しているのだ」という意味も。


③ 文書に使われる紙には一定のサイズのものが使われていた。同格の者に文書を出す際、紙の大きさを十分に使って出す場合のが一般的。例えば紙を半分に折って、その上側だけに文書を書く場合もあるが、これは上の者が下の者に文書を出す形式。


④ 官職などは一般に漢字で書くが、ひらがなで書く場合もある。今で言えば一種のため口であり、文書を読み込めば相手との距離感が読み取れる、、、