大赤斑
昔天文をやっていたころ、いろいろなわからないことがあり、結局、40年近く、謎のまま、頭の隅に置きっぱなしのものがあり、最近、そういったものを一つ一つ、新しい情報で更新中。
その中でも木星の謎として、大赤斑があります。 赤い巨大な斑点です。
木星は巨大なガス惑星で、地球のような個体で出来た大地はありません。
40年前の知識では、木星の表面に現れた大気の渦だとのことでした。
「大赤斑の謎」と個人的に思っていたものは、大気の渦なんだったらなぜずっと存在しているのだ?ということ。地球上でも大気の渦、例えば台風があるわけですが、何百年にもわたって消えないなんてありえないだろう、と。
結論から言うと、大赤斑の大きさは順次縮小しているようです。
1800年代後半ごろの大きさは地球が3個ほど横に並ぶという巨大なものだったようです。
1980年のボイジャーの観測では直径2万3000㎞になり、
2014年のハッブル宇宙望遠鏡では約1万6500㎞となっていて、
引き続き約930㎞/年のペースで縮小し、形状も楕円から真円に近いものに変化しているようで、今世紀の中頃、、、すなわちあと30年くらいで消滅するようです。
大赤斑も、有限の寿命を持つ渦であったようです。
ただし、その生成過程は依然として謎のようで、上記記事によれば、上空温度は摂氏1300度ということで、地球表面では考えられないような高温であるようです。
また歴史的に見ると大赤斑のような渦は、絶えず木星の表面に発生しているようで、現時点での大赤斑が消えてもまた時を経て、別の位置に大赤斑が発生することもありそうです。
上記はジェームズウェブ宇宙望遠鏡から見た木星の姿です。
赤外線カメラで撮影しているので、色彩は可視光とは異なります。
大赤斑が白く見えるのは高温だからです。
また南極北極が白くなっていますが、これはオーロラの影響です。
薄く木星を取り巻くように見えるのは「木星の輪」です。
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