タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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タイ国内旅行 23 チェンマイ北部 ㉔

 チェンマイ市内での橋調査、もう1か所は「ขัวเหล็ก(クウアレック)」あるいは「สะพานเหล็ก(サパーンレック)」ともに、「鉄の橋」を意味する名前で呼ばれている橋。
 チェンマイ市内を南北に流れるPing川に架かる橋で、地図を見ると市内→市外の一方通行なので、市内側のアプローチ道路に向かったところ、「通行止め」。100mくらい先にある橋をみるとシートで覆われているように思われ、「改修中?通行止め?」と判断、とりあえず市外側の取り付け位置まで移動。

 なんと、橋を通行止めにしてファッションショーの準備中。ここ数日だけの通行止めのようです。この橋、タイで有名な映画の撮影場所になったとかで、全国的に有名のようです。


 橋の路面に黒いビロードのシートを敷いており、土足で歩くと怒られそうなところ、まあそこは持ち前の図々しさで、中へ突入。

橋門構はシンプル、、、逆光ですが。この橋門構、、、???です。

 連の反対側から見たもの。桁端側の上横桁(いわゆる橋門構)ですが、支間中央側の上横桁より断面が小さいですよね、、、こんなことあるんですか?普通の桁だと端横の方が中間横桁よりごついですよね、、、
 で、この上の写真を見て、「なんじゃこれは?」と気づいたら、プロです。

 トラス部材は断面の小さな型鋼を組み合わせ、リベットで止めている、クラシカルな橋です。

 市内側を見ていますが、幕が引かれており、ファッションショーのモデルたちが、奥から出てくる感じです。

 おやっと。鉛直材と斜材の取合が溶接付けですね、、、

 これ、上弦材が、折れ曲がって橋面に取り付いているのですが、カバープレート形式で補強されていて、端部は突合せ溶接で股が開き床版とボルト付けですね、、、

 これは鉛直材と斜材が床版に取り付くところですが、鉛直材/斜材はエンドプレートに溶接付けされ(見たところ隅肉溶接)、ナットには座金が付いていません。

 側面を見たところですが、少なくともトラスの外側に張り出された歩道部はコンクリート主桁のようです。添接板のように黒い筋が見えますが、道路排水の汚れです。

 同様に歩道部はコンクリート主桁です。実は向こう岸に廻れば、桁下に入れるようで、トラス部の主桁(下弦材)がどうなっているか、確認できそうではあります、、、今後の宿題、

 文献を調べると、この橋の右手200m上流のところに、チェンマイ王朝最後の王様の名前を冠したナラティワート橋という橋があり、1910年に完成した初代ナラティワート橋はチーク材で組んだトラス橋だったようです。 

 二代目の橋はスチールトラスで1921~23年で建設され(上記の写真)、1965年まで使用され、その後現在の三代目PC桁橋に至るとのこと。
 文献を読むと、このスチールトラスが「移転された」とあります。
 上記の写真と現状のトラス組みを比較すると、現状の方が支間中央の✖が1個少なく、支間長が短くなっています。上弦材と斜材/鉛直材の取合は現状全て溶接付けになっており、移転の際にトラスを組み替え、溶接構造に変更したとすると、「移転」の文脈が繋がります。
 現状のトラスがお飾りで、普通のPC桁の上に鋼トラスが乗っかっているだけなのか、依然として下弦材がコンクリート床版の下にあって構造として鋼構造なのか、はたまた、鋼トラスとPCの複合構造なのかは、、、次回チェンマイ訪問までの検討課題にしておきます。