タイ国鉄 クンタン峠の3つの橋
今回、タイ北部への星見遠征の帰り、結構大変な思い(藪漕ぎ+渓流登り)をしてタイ国鉄の橋梁をみてきました。
まずたどり着くためには私が経験したタイで最も急こう配の道路を通らないと行けません、
そして苦労してただり着いた、ソンホー橋、サームホー橋、コンポジット橋
その中のコンポジット橋(タイ国鉄の橋名)について、整理中ですが話のつながりとして日本の東名高速道路まで繋がるような話が出てきました
タイ国鉄北線1910年代に建設された当初のサームホー橋
サームは3、ホーは塔
これは想像ですが、橋脚を鉄骨で作り、その天端を短い桁で渡し、間にトラス桁を落とし込んだ形式でこの脚の鉄骨部分を塔に見立てたもののようです
現地の状況
どこまで架け替えられたか不明ですが、現在では変断面のトラスが架けられていて、左右の塔は高さを低く作られています。
作り変える際に線形改良で直近別線で作り変えられたのかもしれません、、、この辺情報を持っていません。
塔の上の短い桁の右側に橋歴板が微かに見えます
変断面トラスの脚高が高い場所
鋼製脚の脚高は低くなります
基本的にはリベット接手のようでありながらホルトも多用されていて、後に補強された名残なのか、当初からの混用なのか私にはわかりません
塔の上の短いプレートガーダの桁側面に橋歴板みたいなものが見えたので、2000㎜までズームで拡大撮影、、、この段階で文字までは確認していませんでした
タイ暦2509年(昭和41年)
コントラクター:三井物産
製作者:Yokogawa bridge works LTD =横河橋梁製作所
ともあれ、この橋の架け替えの実務的担当は日本の橋梁会社
「3つの塔」の橋の隣にあるコンポジット橋(正式な橋梁名)
右手にガレ場があり、そこを木のツタを手繰っていけば登れるかなとは思いましたが、、、
今回のメインの橋
コンポジット橋=合成構造という意味を持つ橋名
当たり前といえば当たり前。橋の挙動に応じた設計にしようとすれば、コンクリート床版を構造に織り込まないで鋼桁を設計する、、、非合成桁なんてありえないわけです
その合成構造を橋名にしているということでぜひ見たいとかねがね思っていました
3つの橋の中では並走する道路からもよく見え、資材搬入もできたんでしょうね。
改めてGoogleマップのコンポジット橋のところを見てタイ国鉄の橋歴板(線路際に掲げてあるもの)のタイ語を拾い読みすると、
橋名:コンポジット橋
設計:タイ国有鉄道
施工:日本車両株式会社
1967年8月30日完工
注)日本車両の正式社名は日本車両製造ですが、米国子会社はNIPPON SHARYOであり橋歴板の施工社名はNIPPON SHARYOをタイ文字に直したように読み取れます
++++
ソンホー橋(2つの塔の橋)、サームホー橋(3つの塔の橋)、コンポジット橋。3つの橋は昭和40年代初頭にかけ替えられたことがわかり、その作業は日本企業が行ったようです。
私自身、日本の鉄道橋における連続合成桁の取り組みについて知識を持っていませんが、1967年前後といえば、日本では東名高速道路が作られていて、東名の長大橋は「連続合成桁設計」で作られたわけです。
当時の日本の最新橋梁技術だと思いますが、それを日本の橋梁メーカーがタイ国鉄に売り込んで作ったのがこのコンポジット橋だったともいえるのかな、、、
当然日本の合成桁設計もヨーロッパの技術を取り入れたわけですけども、幾分かは東名の建設技術が生きたとのではないかと夢想。
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