タイ国内旅行 20 チャイニャート行 ⑮
ター・チン川は自らの河口をタイランド湾に持ち、流域面積が大きな河川で、日本でいえば一級河川クラスの川です。
吊り橋系の大規模橋梁に使われる橋梁形式が多く見られます。
コンクリートの主塔の横梁は木材でできています。
タイ語がかすれて読めませんが、「建設38年」と書いてあり、タイ暦2538年だと1995年になりますが、2538を略して38と書く例はあまり見ないので、どう理解すべきか?文字を書いた時点で38年経っていると理解すべきか?、、、後者のような感じもします。
この橋梁の特徴は、メインケーブルを2系統張っているということです。上側に見えるケーブルの方が新しいケーブル、、、すなわち、ある段階で補強がなされています。
見たままですが、垂れ下がっています、、、ゆえに補強したのかもしれません。
吊り橋というとメインケーブルからハンガーロープを下げて、この橋の場合だと歩廊部をぶら下げる、、、構造だと理解していました。
タイで、何橋か見ていますが、この橋では、吊り橋の手すりに相当するケーブルにも張力が入っているようです(この水平ケーブルによっても橋は吊られている)、、、架設手順的にいえば、当然ハンガーに最初に張力が掛かって歩廊部を吊り下げるわけですが、活荷重には水平ケーブルが効くという感じでしょうか。
横揺れ防止の耐風索は設置されていませんが、この水平に張った「手すり」が効いているのでしょうね。
主塔部の付け根です。合計8本の水平ケーブルが2セットに分かれて張られています。
もともと4本組の水平ケーブルがあり、これに重ねる形で4本の水平ケーブルを張っていることが読み取れます。
下のケーブルが当初のケーブルです。メインケーブルの径は、見た目全然違います。
ケーブルを触っただけではわかりませんが、ハンガーロープを触ると、上のケーブル(新しいもの)には張力が余り掛かっていないようです。
この橋の手前側には寺院と学校があり、子供たちの通学路であり、大人たちがバイクで日々使っています。
活荷重が満載されることは日常では多分なさそうですが、年に何回か、祭りの際に、川で伝統のボートレースがある日には、人々が鈴なりになることもあるのかなあ、、、、その日にはハンガーもしっかりと伸び、上下2本のケーブルで吊られる形になるのでしょう、、、
ハンガーロープを見ていますが、心なしか、内側二本の錆が激しく、外側はまだあまり錆びていないことが見て取れます。
外側2本は、歩廊部の縦桁(H鋼)のフランジに穴をあけ、ワイヤーロープを貫通させています、、、現在、外側ロープには力が掛かっていなさそうですが、角折れしそうな取合いに見えます。
内側2本(建設当初のもの)は、クランプに引っ掛けていますが、「引張ボルト接合」(?)ではないかと、、、、。ボルトの軸方向に繰り返し荷重が作用する形になっているので、振動でボルトが緩みやすくなっていたり、またそもそもボルトは軸方向の繰り返し荷重を想定していないように思えます、、、まあしょせん人道橋だから、そんな硬いことを言うなよと、いわれそうですが。
現地では見過ごしましたが、、、、コンクリートアンカーに派手にひびが入っていますね、、、「ひび」という表現より、コンリート破断に近いですね。まあもちろん、鉄筋はコンクリートの奥側の方に曲げられているのでしょうし、コンクリートの表面が割れても、構造的には問題ない?ともいえるのかもしれませんが、あまりいいことではありませんね。
歩廊部を下から見ています。
縦桁はH鋼、路面を構成する部材は溝形鋼を伏せた形(1~4枚目の写真)になっていて、見る限り、それ以外の部材は見えません。H鋼と溝形鋼は溶接付けされているので、X型等の横構はありません。
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