タイ国内旅行 20 チャイニャート行 ㉒
塗分けされたアーチ橋です。
日本では橋梁は基本的に公(おおやけ)が建設しますので、経済性というか公の資金を適切に使うよう求められるため、退色しにくい塗色が選ばれたり、施工が簡単なようにいずれの色を使うにせよ単色で塗装されるのが一般的です。
この橋梁は赤系と群青色系という補色(反対色)に近い色使いになっています。
赤系は一般に退色しやすく、建設当初の色がこの「寝ぼけた赤」だったのか、もっと「鮮やかな赤」であったのかは、不明です。
アーチはそれ自体美しい形なので、アーチを目立たせたかったなとは思います。
今の色遣い、色映えしない群青色をアーチに塗装することにより、メインの構造部材が見えにくくなり、赤い斜材が宙に浮いているかのように見えます。また斜材と鉛直材が塗り分けられていますが、ギザギザがリズミカルに反復して見えるよう同じ色に塗る方が良かったかも。
どうせならド派手に、アーチ弦材はイエロー、斜材鉛直材はレッド、、、これくらいの色遣いにしてもらいたかった。
この角度から見ると、この色使いもアリかなとは思います。
このくらい近寄るとアーチ部材が近くで見えるので、アーチの色合いは気になりません。
いわゆる造形美ではあります。
下路橋であり、幾分圧迫感を感じながら、人々が通過することを考えれば、上横構が空に溶け込むような色がよい思います。
結果的にいうと、安価に作りたいというか、製作の限界というか、上弦材はH鋼と鋼管を組み合わせています。部材の取合的にはH鋼の方が簡単にできるので、H鋼を骨組みとして使い、足りない断面は鋼管を上に載せて補う、、、ということでしょうか。
アーチではありますが、曲線に曲げるのは面倒なので、部材を細かく分け溶接で継いでいます。意地悪いアングルで見ない限り、気になりません。
下弦材の側面を見ると薄く線が見え、プロポーション的に見て、溝形鋼を背合わせにしてH断面にしているようです。
横桁及び縦桁ともに非常に密に配置されています。真ん中に配置されている縦桁がゴツイ理由はよくわかりません。
なお、裏面が全体的に緑っぽく見えますが、これは川面を覆いつくす緑の草に照らされているためです。
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