三ノ輪浄閑寺を訪れたのはこの永井荷風の詩碑を見に来たため。
　学生時代、NHK教育の番組のエンドロール近くでこの詩の一部が朗読され、いい詩だな
と。そのころパソコンもなく、ネットもない時代、どうやって調べたか忘れましたが、三ノ
輪の浄閑寺、通称投げ込み寺に詩碑があるということを探し出し、訪れたのが最初。

　この「震災」という詩は、文庫本レベルの荷風詩集には掲載されておらず、当時だとここにきてノートの写すしか手元に置くことができませんでした。

　団菊、一葉、紅葉、円朝、鴎外、これらの作家俳優らはわかりましたけど、桜痴や緑雨の
名前は知らず、大学の図書館で調べたことをうっすら覚えています。

　学生時代、歌舞伎座や国立劇場で歌舞伎を見まくっていましたから、古き江戸や明治の文化が無くなっていくみたいなことを、一人憤慨しながら思っていました､若気の至りです。

　詩そのものは七五調で、韻を踏むようなところもあり、詩碑の前で三度ほど朗読。

　今回は浅草のホテルを取り、近くに何かあったっけ？と地図を見たところ三ノ輪があり、
では浄閑寺という感じでの訪問。いままでに5回ほどですかね、この詩碑の前に来たのは。