月の上下
ちょっと前に、満月のことについて投稿したところ、ウサギの餅つきに見えないという
コメントがあり、まあ確かにそうなんですが、当日見えた月の向きはこのような感じである
ことは確かで、どうしてだっけと、自分で整理。
わかったこととして、
・この写真の撮影時刻は午前1時ごろに撮影したもの
・満月の日は日の入と同時に月が上り、多くの人はこの時点での月の向きを覚えている
・写真の月を反時計回りに約90度回すと日没時の月の向きになり、餅つきに見える
ということでした。
昨晩、ふと、天体写真の向きについて考えることがあり、天に上下など本来ないはずのところ、天体写真はどちらの向きを「正」にしているのだろうと、、、
まず、月の上下、、、正確には月の北と南ですが、明確に定まっています。
ただし、北が上か下かは決まっていません。
例えばこれ、中野繫氏の月面図。
半世紀前に天文少年だった私は、この図を見て月を見ていました。
月面図の下の方に「N」とあり、北が下、すなわち上は南になっています。
地球上の地図と逆です。でも中野さんの主義主張でこうなったわけではなさそうです。
これは世界最古の詳細月面図と言われる1880年代の月面図。これも南が上になっています
こうなった経緯はいろいろあるのでしょうが、写真などというものがない時代、スケッチ
で月面を写すしかなく、天文学者が多用したケプラー式望遠鏡は倒立像になるため、単に、
見えるものを写したらそのまま南が上になった、、、ということなのかもしれません。
面倒なのはここからです。
日本の天文雑誌では、月写真を掲載する時、この月面図に倣ったのか、南を上にして掲載
するそうです。編集部の意向なのか、投稿する人たちの思いなのかは不明です。
今は電子入稿なのかもしれませんが、昔は紙焼き写真を編集部に送付していたわけで、
編集部としてはどちらが上か不明であれば、南を上にして紙面に掲載していたということなのでしょう。
ところが、米国の主要天文誌は、月の場合、北を上にして掲載しているそうです。
月だけなぜ南なの?地図だって北が上でしょう、、、ということなのでしょうか。
例えば、「月」で画像検索すると北が上の写真が上位に並びます。
科学の世界では、北が上が主流なのか、日本の国立天文台でも北が上です。
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