タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

Pattayaでのリタイヤライフです。旅行/日常生活/ゴルフ/鳥見/タイ語学習

こういうのもあるのだな

[APTips 026 / PI & AP編] ナローバンド合成 Narrowband Combination - YouTube
 Narrowband合成という手法があって、天体を幾つかの波長で撮影して色を変えて設定するという手法で、色合いの調整はその人の好みでいいんですよ、、、という写真の技法。
 ひとことで言えば天体を素材にして、自由自在に色合いを変えて自分の芸術作品として仕上げるというもののよう。
 
 実際のことを言うと、天体に関して言えば、天体カメラで撮影したものが、そのままの色合いで宇宙に存在するというものではありません。
 天体カメラは可視光だけでなく近赤外領域までをカバーするものが使われていて、各波長の感度はカメラ個々でバラバラです。
 宇宙の90%以上は水素から成り立っていて、水素が励起して放出する光の波長の多くは人間の眼ではほぼ見えないものです。人間の目で見えないということは、そもそも色などないということです。
 天体カメラに映ったものを写真として仕上げる時、可視光は「色」を割り当てるとしても、近赤外領域など可視光以外の波長にどの色を割り当てるかは、その撮影者のセンスに任されるわけです、、、

 例えばこの写真。
 数日前に、淡い星が全く見えないパタヤで、しかも薄雲が掛かっているようなコンディションで撮影したオリオン大星雲です。
 私の場合、スタック合成するソフトで明るさ/彩度/コントラストなどを変える程度の処理を行っています。
 こういう色合いの写真が一般的ですが、多分この色合いは私が使っている天体カメラが出力する色合いそのものに近いものだと思います。、、、だからこれが正解というわけではありません。

 オリオン大星雲はHα線であふれているのだからと、可視光領域のHαの「色」である赤っぽく仕上げてもの。
 星雲の光のないバックグラウンドは「漆黒」であるとすると、本体の赤に引きずられてバックグラウンドもちょっと赤みが掛かってしまっています。ただそれも星雲の近くに広がる水素を通してみれば、周りも赤くなっているだろう、、、とも理屈はつきます。

  透明度は無くなりましたが、写真が強調され左上の通称「ランニングマン星雲」に人の姿が浮かび上がりました。


 漆黒のはずのバックグラウンドも許容される程度の「クロ」かなとも。
 冒頭の写真に比べると、右方向の星雲の尾っぽのあたりのディテールがよく出ています。