タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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タイ国内旅行19 ナコンパトム行 ⑨

 プラサムットチェディ自然遊歩道橋


 バンコクの南、サムットプラカン県のチャオプラヤ川左岸河畔。プラサムットチェディ(サムット神の仏塔)という名刹があり、寺境内からチャオプラヤ川の中州に渡るための歩道橋があります。中州には昔、川をさかのぼってくる外敵に対する砦があり、現在は自然公園として保全されています。

 Googleマップで計測すると、吊り橋の主塔間隔は55m。
 あくまでも感覚ですが、結構ごつい鋼構造なので、このトラス桁だけで人道橋としては構造的にモッテいるのではないかとも。


 この写真を見て感じるのは、スパン割の悪さ。中央支間に対して側径間が短いので、このままだと端支点側が持ち上がってしまいます。今回、端支点廻りの写真を撮っていないので確認できませんが、浮き上がり防止構造が仕込まれているんじゃないかな?と。

ちょっと手前がごちゃごちゃしていますが。

 人道橋としてはしっかりとしたトラス補剛桁です。

 吊り橋のアンカーを吊り橋補剛桁に取っています。あまり見ませんよね。
 スパンバランスの悪さと合わせて、さらに端支点の負反力(持ち上がり力)が出そうな構造です。

 吊り橋アンカー部。3つのクリップで止めていますが、感覚として個数が少なすぎであり、第一、ケーブルの太さがちょっと細すぎる感じです。
 考えられるのは、吊り橋の形をとっているが、吊りケーブルはあまり寄与していない、、、単なる飾り?

 歩廊はコンクリート版を敷き詰めているようです。割ときれいに収まっています。

(以下の説明、専門的すぎますので読み飛ばしてください)


 鉛直材と斜材、上横構の取り合い部です。
 溶接は、見た目「くっ付けただけ」のように見えます。
 〇鉛直材と̻▢斜材のところに三角形補剛板が付いていますが、各鋼管の中にもこれを受ける板が付いているのでしょうか?


 上弦材の下フランジに斜材鉛直材をドン付けしていますが、本来であればフランジあるいはウェブに補剛材を設けるべきなのでしょうね。見た目フランジが薄すぎで、トラス軸力を受けて下フランジがベコベコ撓んでしまうだけのように見えます。

 いいかどうかは別として、上横構をうまく上弦材の下フランジと一体化させれば、力の流れ的にはよいのかも。

 現場接合は当然のごとく現場溶接。「余盛」という言葉はタイにはなさそうです。確実に断面が凹んでいます。まあ断面欠損ですよね。その上、溶接の質もちょっと??だし、「まあいいか人道橋だから」という感じでしょうか。

 拡大してみても、構造がよくわかりません。すっきり収まっているようで、黄色い主塔の下にある鋼製の箱状のものの役割がよくわからず、ちょっとフラストレーション気味。

 橋の上から見たプラサムットチェディ。ずっとこのองค์พระสมุทรเจดีย์の標識を頼りに来ました。

 中州側の自然遊歩道。鳥の鳴き声に交じって、サルの鳴き声も聞こえ、次回はこの自然遊歩道をメインに来てもいいなあと思いました。