タイ国内旅行 27 北部低地 ⑨
ヨム川に架かる3連トラス
この橋は昨年、ヨム川の屈曲部に作られたWat Phra Sri Rattana Mahathat Rajaworaviharnというシーサッチャナライ村のスコータイ時代の遺跡を訪れた際に存在だけは確認していたものです。ずいぶんと長い名前の寺ですが、マハタート(偉大な)という言葉が入っているので、寺の格としては最上位に近いお寺のようです。
スコータイの町からシーサッチャナライまでヨム川の延長は50㎞ほどで、架けられた人道橋はほぼすべて吊り橋であるところ、この橋だけは、川の中に橋脚を入れて、鋼トラス橋(トラス=三角形で組み合わされた構造)としています。
最初見た時、どこかの鉄道に架けられた橋をここに移設したのではないかと、想像していました。でも今回この橋を見ると、ここに新規に架設されたものであるということがわかりました。
トラス橋にも流行があり、移設を疑ったのも、この橋の形が今風ではなく、弓状に張ったクラシカルな形状をしているからでした。
今回、近くに寄ってみたわけですが、これは鉛直材と斜材の取合箇所。
溶接でペタペタくっ付けています。
これは鉛直材と上弦材の取合です。
稚拙な構造、稚拙な溶接、、、これが仮に鉄道橋だったら、すぐにバラバラになってしまうようなものですね。
これはトラス端部の上弦材が屈曲したところですが、H鋼を下フランジだけ残して三角形に切り取り、部材を折り曲げ、後埋めしたという、「こんなことやっていいの?」というレベルのモノ、、、多分、歩道橋なら問題ないのでしょうけど。
でも、細かいことは目をつぶって、橋構造だけを遠くから見れば、それなりの美しさはあります。
床版はコンクリート床版です。
ちょっと煩雑かな。
橋げたの下にもぐって、床版裏を見た図。
タイは、コンクリート部材に塗装しています、、、日本だと一般に、コンクリート部材には塗装はしませんが。
この橋についていうと、外から見える橋部材には塗装がされています。しかし、下からしか見えない、、、通常目に触れない鋼部材には塗装をしていません。一般論で言って、ざっくり半数以上の橋梁は、こんな感じで見えない部材は錆だらけになっています。
塗装は見栄えもありますが、鋼材の防食には欠かせないものですが、タイっていう国は、見栄えだけを目的として、塗装しているような、そんな感じです。
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