タイ国内旅行 31 マレー半島中部 ⑱
ナコンシータマラート城の内堀にかかる橋
ナコンシータマラートは、南部の文化経済の中心地で、アユタヤ朝の時代、山田長政が地方長官として治めた街でもあります。
写真右正面に城壁が写っていて、旧国道に架かる橋の親柱が見事だったので、写真を撮ろうとして見つけた橋のご報告。
近代的な橋梁には、材料で分けて、コンクリート橋と鋼橋という2種類の大きな括りがあります。この橋、パッと見て、コンクリート橋、、、と思うわけです。なぜって、一言で言えば経験。日本だとコンクリート橋に塗装を施すことはありませんが、タイだと一般的なので、塗装があるから鋼橋というわけではありません。
小さな堀を渡るだけの橋で、橋長は35m程度。しかも橋脚を2本立てていますから、通常だと、コンクリート橋で計画するわけです。橋側面の高さ=桁高をアーチ状に変化させ軽さを出そうとしています。難を言えば橋の路面が中央部で平らになっているところで、緩やかな上凸で作った方が、下面のアーチと整合性が取れたかな、、、と。
近くによってみると、橋の下面(下フランジ)が外側に凸上に張り出し、同様に床版の位置でもコンクリートが凸張っていて、シッカリとした枠でコンクリート橋っぽく見せていますが、橋の臓物が見えていて、鉄骨が組まれているのが見えます。
橋の端横桁です。ウェブ端部で塗装が斜めにひび割れ錆びていますが、まあ気にしないことにしましょう、、、
いろいろと細かく見ていけば言いたいこともありますが、歩道橋にしては力を各部材に適切に流れるようにしていて、好感が持てます。
下フランジの鋼板の厚さは20㎜弱。
この橋の面白いところ。
通常の鋼橋では鋼桁を3枚の板を使ってアルファベットのI(アイ、あるいはギリシャ数字の1)の字のように組みます。この橋では下側の板の端に別途、鋼板を立ち上げ、隙間にコンクリートを詰めています。通常の鋼橋ではこんなことはしません。
コンクリート橋だと、構造上の必要性や意匠でこのような外面形状になることがあります。この橋梁ではこのような外面形状にすることにより、よりコンクリート橋っぽく、見せることに成功しています。
荷重制限する必要もなさそうですが、階段もあり人道橋として設計されています、、、なお、右手にスロープがあり車いす対応にはなっています。
サパーン・スックサン(橋・この上ない喜び)
建設年代は仏暦2547年、平成16年の橋です。
今から17年前の建設なので、タイも幾分豊かになり、作りたい橋が作れるようになったころなのでしょう、、。
見かけはコンクリート橋っぽく、でも作るときは工場で大部分を作れる鋼橋で、、、と設計者は考えたのでしょうか。
あるいはまた、鋼橋を作るのが恥ずかしかった、のか。
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