タイのしきたり
中島マリン著、「タイのしきたり」読了。
著者は日泰のハーフで、高校までタイ、大学以降日本に住み、現在は大学でタイ語の教師をしている方です。
タイに住んでいながら、それほど深くはタイ人と接していないので、多くの事柄については、一般論としての「しきたり」を、知識として蓄積するだけです。また、氏は基本タイ人マインドを持つ人なので、建前を説明しているところがあり、本当は違うんじゃない?という疑問というか、今までの見聞とのずれについては、「まあ、本には書けないか」と思うしかないような点もありました。
ただし、今まで見聞きしてきたことで、ちょっと詳しく知りたいなと思ったところがズボッとはまって、「ああそうなんだ」と深く納得した点も幾つかあり、今後も、こういった書籍があれば、読んでいきたいものとは思います。
同じ著者の既読書としては、「間違いだらけのタイ語」と「挫折しないタイ文字レッスン」。タイ語の教材としては、中級以上の方が対象です。
この写真は昨年のソンクラーンの前、中国人墓地での「墓改め」のもの。中華系の人たちは、一度土葬して、3年ほど置いて、掘り起し、一族の集合墓に埋葬し直すのですが、その際、墓から掘り起こし骨を集める作業をしている人たちの写真。
この人たちは中華系結社の人たちで、本業がありながらも空いた時間に救急業務に当たっており、病院に搬送する場合もあれば、交通事故等でその場で亡くなった方の遺体を墓地に運んだりしています。そういった事実は承知していたもののの、本書によれば、ボランティアで原則、無給のようです。
この人たちは、一般に人が嫌がるような死体処理業務等を率先して行うことにより、「ブン(善、功徳)」を積んでいるのだそうです。結社の名前に積善という文字を見たことがあり、深く納得。
写真手前にある、うちわみたいな石がありますが、結界石といいます。いわゆる、結界を結ぶ石です。タイ仏教では月に一度、結界が張られ魔物等が侵入できないお堂に集まって、反省会みたいなことをするようです。今も実施されているか不明ですが、お寺に幾つか本堂のようなものがあると、その中で古めの格式の高そうな建物にこのような結界石が配置されています。ここまでは知識と知っていましたが、この下には直径30㎝程度の石の球が埋め込まれているそうです。
お堂を新築する際、その球「ルーク・ミニット(印の石)」がまず最初に作られ、新築費用を集める際に、人々は費用をタンブンしながら、その石に様々な願いを祈願するようです。
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