熱帯収束帯
これ最近のタイ上空での風の流れを示す図です。
赤い線があって、これより赤道側(南側)だと南西風が吹いています。
赤い線より北側だと北東風が吹いています。
ちょうど、タイ上空で風がおしくらまんじゅうをしている状況です。
風が巻いているところもあれば、風が押し合って方向が変わるところもあります。
これらが連続している状況が見て取れます。
日本ではこのような気流の流れは発生しません。
中国奥地に高気圧があり等高線のような形で、タイに向かって気圧が急降下しています。
等高線の「裾」がちょうどタイ上空にあり、これに沿って台風(低気圧)も移動します。
この気圧の落ち込んだ谷状のところを「熱帯収束帯」といいます。
通称、モンスーントラフ、雨を引き起こす低圧帯(気圧の谷)という感じでしょうか。
この熱帯収束帯は季節ごとに移動することが知られています。
上図、赤い帯が7月頃の位置、青い帯が1月頃の位置です。
日本の7月頃に梅雨となるのは、この熱帯収束帯が漸近することによるものです。
タイの場合、年に2回、この熱帯収束帯が上空を通過します。
タイ:バンコク気温 - 旅行のとも、ZenTech
赤い棒グラフがバンコクの降雨量を示しています。
バンコクでは5月頃から10月頃までが雨季になり、ピークは5月と9-10月の2回です。
ちょうどこの時期にバンコク上空を熱帯収束帯が通過するためです。
北の高気圧の勢力が増せば、熱帯収束帯を南に押しやります。
結果、涼しい北風がタイを覆って寒季到来となります。
渡り鳥も無事、北風に乗ってタイを通過しインドネシア方面に帰れるのですけどね。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。