ダーク減算
天体用カメラには製造工程上で「死んだピクセル」があり、望遠鏡にキャップをして撮影すると緑赤青の細かいドットが写ります。これらのドットが撮影した写真に写り込んでいるわけです。
このデッドピクセルは露出時間が短かったり、感度が低めの場合にはほとんど写真に写り込みませんので特段の処理はしません。
私の所有するSONYα1だと、撮影が1秒を越えると長秒処理というプロセスが自動で進行し、シャッターを押して撮影が終わると撮影時間と同じ時間だけ真っ暗な画面になり上記同様の写真が撮影され、本来撮影した写真データからこのデッドピクセル分を差し引く作業が行われます。この作業は「ダーク減算」とも呼ばれます。
天体カメラで天体を撮影する場合、一般に撮影に時間をかけ、高感度で撮影します。
上記写真の場合、300秒で高感度設定で撮影したものなので、非常に多くかつ明るくデッドピクセルが写っています。天体撮影の場合、一般撮影に比べデッドピクセルの影響を大きく受けるわけです。
また天体カメラのCMOSセンサーの回りには種々の配線があり、撮影しているとこの電線が熱を発しCMOS画像が白っぽくなります。これをアンプグローと言いますが、これも画像に悪影響を与えます。
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私の使用しているASI533MCPや294MCPは冷却カメラで、通常の使用状態ではマイナス10度まで冷却します。冷却するとデッドピクセルの発光を抑える効果が得られます。
また533の方はアンプグローの影響を排除したゼロアンプグロー仕様になっています。
ということで冒頭の写真はASI533MCPのもので、写真ではずい分多くの点が写っていますが、他のカメラに比べれば非常に少ないものとなっています。
以下2枚の写真
1枚目:ダーク減算無し
2枚目:ダーク減算実施
ブログに載せるために画素を落としていますので違いがほとんどわかりません。
元画像も、単独で見るとほとんど違いは判りません。
2枚を瞬時に入れ替えて比べると、たしかに減算処理実施した方がコントラストがついているかなと思われる程度です。
ただし差がゼロではないので真面目にダーク減算処理をしようと思っています。
ダーク減算無し
ダーク減算実施
馬頭星雲の左右の赤が若干濃く見えます
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