タイ国内旅行 29 カオソック国立公園 ⑦
アイアンブリッジ(Boon Sung Steel Bridte)
プーケットから北に135㎞、パンガー県Takua Pa郡に架橋されている橋。
1965年に架橋されたもので、手前はトラス上路橋、奥の河川渡河部は吊り橋。
全長310m(吊り支間53mの吊り橋含む)
名前の通り、吊り橋主塔とトラス上路橋部の基礎は鉄筋コンクリート製ですが、それ以外の部位はすべて鋼材で出来ています。
アイアンブリッジ(その1、高架橋編)
由来書きには、
++ かつてブンスーン鉱業所という工場が川向うにあり、職員たちは舟で工場に通っていた
++ 建設費はブンスーン鉱業所が負担
++ ペナン(マレーシア)で作られた鋼材を用い、建設はブンスーン鉱業所社員が担当
++ 設計はオーストラリアで鉱山学を学んだエンジニアによる
看板の英語が心もとない内容で、「From the iron parts of the dredge, it was built...」とあり、いろいろ考えると、「ブンスーン鉱業所の製品である浚渫機の材料から橋は作られた」と言いたいようです。
国道4号に設置されたツーリストアトラクション(観光案内)の看板。
タイ語は「ブンスーン鉄橋」。英語は「ブンスーン鋼橋」。
日本でも鉄橋という言葉がよく使われますが、鉄で橋は作れません、、、鉄にクロムとかニッケルを混ぜて熱で調製した鋼(はがね Steel)で橋は作られます。
今の状態は「歴史遺産」であるわけですが、橋としては現役です。
バイクで渡りましたが、最初は前からくるバイクをやり過ごそうと橋のたもとで待機しました。でもどんどん前方からバイクがやってきます。待ってもキリがないので走り出しましたが、結局、3台のバイクとすれ違いました。
弦材と鉛直材はボルト接合、斜材と弦材は溶接接合。ボルトは溶けかかっています。
上弦材、下弦材ともにL字形をしたアングル型鋼ですが、端部はバルブヘッドというのでしょうか?、突起が付いています (この写真の下弦材には突起無し、次の写真には双方に突起あり)。
弦材はボルトで閉じあわされていますが、普通ボルトですね。
腹板でしか継いでいないのも、どんなものなのかと、、、
バルブヘッドは鉄道に使われた鋼材だと思いますが、鉄道のレールを考えれば腹板だけでの接合なので、まあいいかと思ったり。
ちなみにこの区間には見ての通り、トラス斜材が配置されていません。
表面鋼板の取り付け方法ですが、上弦材に15cm程度間隔で孔が開いています。これを溶接で穴埋めすることで、表面鋼板を固定している?のかと、、、詳細不明
断続溶接されているのがわかりますが、橋面の鋼材は1枚物ではなく、様々な大きさの板を張り合わせて作っています。
連続した穴も開いています。解説看板の主旨からすると、浚渫機を作る過程で出た端材を利用した、、、ものなのかと思います。
腐食した橋面の鋼板をバイク等で踏み抜くことがあるようで、それを補修したもの
旧の腐食した鋼板はそのままに、上に鋼板を被せて補修しているようです。
これは橋面鋼板を下から支える横桁(L型鋼)ですが、支間中央部で凹状に断面欠損しています。
ある人曰く、これをこのまま博物館で展示したい、、、と。
建設時の工夫というか手間、、、そしてその後のメンテナンス。
苦闘の歴史を見るようです。
地面に設置されたフーチングは鉄筋コンクリート構造。これに鋼製脚が載っています。
ボルトで接続しているのか、溶接付けしたのかもよくわからないほどの腐食。
後半編で吊り橋部を紹介しますが、比べてみると、この高架橋区間には塗装は施されていなかったようです。
海から10㎞。防食しないと鋼材はこうなる、、、ということです。
1965年、昭和40年、、、名神高速道路全通の年ですね。
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