仏教の再生?
アユタヤのWat Phutthaisawanという、アユタヤ島の南側対岸にある寺の涅槃仏の写真で
す。前回のアユタヤ行で訪れた寺ですが、この涅槃仏を見た記憶がありません。
アユタヤは18世紀中ごろ、ビルマの侵攻を受け、ほぼすべての寺が破壊されています。上
の写真がいつ撮られたか不明ですが、涅槃仏の仏頭が破壊されずに残っています。私も見落
としましたが、ビルマ人たちもこの涅槃仏に気が付かず、破壊を免れたようにも見受けられ
ます。
ただし、寺というものは檀那というか、パトロンがいないと維持できない組織なので、ア
ユタヤから都がバンコクに移り、寺は放棄され、屋根が朽ちて落ち、土砂が溜まり、草が生
い茂り、、、と、訪れる人もなく荒廃していたようです。仏教は基本的に、貴族王族の庇護のもとで成り立っていたので、必然といえば必然。
仮に、アユタヤ朝時代に、仏教が庶民に浸透していたら、貴族王族がバンコクに移ったからと言って、上の写真のように寺院が荒廃することはあったのだろうかと思うわけです。
結局、従来の貴族王族に頼っていても寺院は衰微するだけだと、仏教界はマーケット戦略
を変更し、庶民から広く薄く喜捨を求めるということで仏教が生き残り、下の写真は現在の
ものですけど、廃墟となった寺院の遺構はそのままですが、堆積した土砂や雑草は取り除か
れ、信仰の場として復活したのかな、、、などと夢想。
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