タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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近赤外カメラで太陽/月面/銀河を撮る

 太陽撮影用のモノクロカメラとして今回の一時帰国で購入したのはPlayerOne社のApollo-M Max。


 選定ポイントは
・グローバルシャッタを採用しており、太陽を高速連写しても画像がズレない
・ダイナミックレンジが高いため明るさに強い強弱のある対象を細かく描写できる
・工場出荷時にデッドピクセルを除去している
・パッシブではあるが冷却カメラである
・CMOSセンサーとして近赤外領域が非常に高めである
 という点。

Player One Apollo-M MAX
 実際の太陽画像はこんな感じ。他のカメラではありえないコントラストです。
 いろいろな面で太陽向きのカメラなのでしょう。


 特に、太陽はHα線で撮影しますが、Hαの波長は 656nmであり、下のグラフだと量子効率が90%越えのレベル。まさにHαを撮影するために作られたカメラのようです。

 上記は近赤外領域に強いカメラであるという販売店側のコメントがありながら、比較した資料がなかったので私が作ったグラフ。
 網掛けは可視光でフィルタで遮断する領域です。


 オレンジ色が従来からある大多数の天体カメラの量子効率
 灰色は量子効率が改善されたといわれている天体カメラの例
 青が今回買い求めたカメラ


 量子効率は望遠鏡が集めた光の粒子(フォトン、量子)をセンサーが電荷に変換できる効率のことで、フィルムの感度みたいなものです。
 このカメラは電荷変換効率が高いということと、合わせてダイナミックレンジも大きいので、電荷でピクセルが飽和しないという


 効率が良いということは、露出時間を短くでき、また望遠鏡の口径が小さくすみ、逆に同じ撮影時間をかければそれだけコントラストよく、また大口径のメリットを大きく引き出せます。

Player One Apollo-M MAX
 これは月面を近赤外で撮影したものです。
 大気の状況が不安定であっても、近赤外で撮影すると大気の影響を少なく出来、月面をシャープに撮影することができます。


 そして以下は、銀河を近赤外で撮影するという試み。 

Near IR Imaging of Galaxies Under Light Pollution | This page describes a method of imaging galaxies in heavily light-polluted areas by using red to near-infrared filters.
 英語ですが日本人の方が書かれているものです。
 撮影地は東京23区内で近赤外を使った銀河の撮影について取りまとめられています。
 銀河という淡くて写しずらい対象をコントラストの高い写真として撮影できるようです。


 結局、光害地パタヤで何を見るかという課題を考えていくと、近赤外をキーワードにしてみると、いろいろなことができそうだなと思っているところです。