可視光と近赤外の違い
Φ203㎜でのフィルタの違いを比較したもの。
PlayerOne社のApollo-M MAXは、「アポロ」と名付けられていることもあり、同社としては月で効果を発揮するカメラと位置付けているように思われます。
このカメラの特徴はグローバルシャッタを採用していることです。
月面の場合、動画で撮影すると、ローリングシャッタを使用している通常の天体カメラでの画像を見るとグアングアン、伸びたり縮んだりしているのに対し、このカメラだと不自然な伸び縮みを感じません。
いくつかの特徴の内でも、このカメラが採用しているIMX432センサは近赤外領域での感度(Qe)の落ちが小さく、近赤外に強いカメラになっています。
月面は太陽によって照らされているためいわゆる白色光であり、赤い輝線星雲のようにHα線などを選択透過するフィルタを使って、Hαを強調して見るような効果は得られません
ただし、近赤外は可視光より波長が長いため、空気中の散乱度合いが少なく、すっきりしない天気の場合、クリアな画像が得られやすいようです。
パタヤはまだ雨季であり、空全面がスカッと晴れるような状況にないため、近赤外の効果が得やすいのでは?と、可視光フィルタと近赤外フィルタを使って比べてみました。
EdgeHD800(Φ203㎜ L2032㎜)、PlayerOne Apollo-M MAX、UVIRカットフィルタ
右半分が白飛びしていて、比較写真としては適切ではないようにも思えます。
現像時点での露出調整では難しいくらい露出過多になっています。
EdgeHD800(Φ203㎜ L2032㎜)、PlayerOne Apollo-M MAX、サイトロンIR640フィルタ
これも右半分が明るいですが、ここを暗くすると左の欠け際がグッと暗くなります。
ピントの差もありそうですが、シャープさは近赤外の方が良好です。
EdgeHD800(Φ203㎜ L2032㎜)、PlayerOne Apollo-M MAX、UVIRカットフィルタ
EdgeHD800(Φ203㎜ L2032㎜)、PlayerOne Apollo-M MAX、サイトロンIR640フィルタ
4分しか撮影時間はズレていないのですが、微地形の影が随分と違い驚きます。
天体用カメラを装着してしまうと、肉眼に切り替えるのはちょっと面倒で、多分、肉眼で見ている方が、微地形の影の付き方みたいなものは判別できるんじゃないかなと思います。
上の白色光の方が暗く仕上がっています。
細部を見ると白飛びは暗く仕上げた白色光の方が激しく、近赤外の方がマイルドに仕上がっています。
++++
純粋に同じ条件での比較ではないので、今後何回か試撮りして傾向みたいなもの、得意なところを見出していきたいと思います、、、フィルタを付け替えるだけなので、入れ替えはごくごく簡単ですので。
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