タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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今日は「タイ語の日」

 今日、7月29日は「ワン・パーサー・タイ・ヘン・チャート」
 国家が定めたタイ語の日とあり、タイ文字を作ったとされるラムカムヘン大王の像が配されています。


 この像は、スコータイ歴史公園内のラムカムヘン大王記念碑のブロンズ像です。経典をもって国民を教え諭す姿だそうです。


 ラムカムヘン大王がタイ文字を作ったとされていますが、これは、近世になって、ラムカムヘン大王が刻ませたという石碑が出土して、これに最も古い形のタイ語が書かれていた、、、ということに由来しています(偽造説もある)。

スコータイ国立博物館にある石碑のレプリカ、、、本物はバンコクにあります


 タイ語を学ぶ者にとって、タイ文字を学習するのは苦痛そのもので、母音は各発音に応じた文字が規定されているので、覚えるしかないのですが、子音については、例えばkhについてだとขคฆの三種類あり、これに日本人だと区別が難しいkのกを加えると、カだけで4つの文字になります。サなどは、全く同じ発音なのにศษสと3つのSがあります。


 もちろん、勉強を進めていくと、発音が同じでも表記が違えば意味が違うわけですし、同じkhでも文字が違えば発音が違い意味が違う、、、と、タイ語の奥深さをだんだんと感じられるようになります。


 タイに来る前にベトナムにいて、ベトナム語を2年ほど勉強しました。現在のベトナム語表記は、フランス人宣教師が1800年代にやってきて、布教をする際、当時、ベトナム知識人で使われていたチュノムという漢字を書き崩したような文字だと、庶民が学ぶには大変だと、アルファベットをベースにカならk、サならSと割り振り、ベトナム独自の声調を別途記号で付け加えて作られたものです。タイ文字に比べると圧倒的に子音の数が少なく、特に末子音といわれる語末に現れる子音が一律に決まります。

 初学者には子音の数が固定されているので学びやすいといえば学びやすいのですが、全く同じ表記/発音で意味が全く異なる単語がたくさん出てきます。これはベトナム語が、中国語の一方言のような形で形成され、中国語だと発音が同じでも、違う漢字を当てはめて意味が伝わるようにしていたものを、音しか表さないアルファベットで表記してしまっているからです。


 すなわち、本来、表意文字で表現していたベトナム語を単純な表音文字に置き換えてしまったため、音が持つ意味を文字に置き換えられていない、、、という問題が生じてしまっています。


 この一休問答の「はしをあるけ」のようなベトナム語表記は、ベトナム人でも混乱しており、新聞を読んでいても、全く意味がとれない、ということがよくあります。新聞程度の内容でも意味がとれないわけですから、高度な内容をベトナム語で表現することは不可能なのではないかと、何度も感じました。


 ただこれには、社会主義ベトナムということで、自分の意見を明確に言い表さない、端的にいえば責任を回避するための、ベトナム人独特の作文技術にも由来しているのかもしれませんが。


 話をタイ語に戻すと、タイ語の65%がインド由来ともいわれ、インドサンスクリット語、パーリー語をタイ語に移すためにタイ文字が作られたとも思え、表音文字でありながら、語意を分けるためのたくさんの子音があり、語意がしっかりとわかるため、形而上学的な内容も自分たちの文字、タイ語で表記できるようになったわけです。


 ラムカムヘン大王が面倒なタイ文字を作ったから、タイ語を学ぶのが難しいのだという人もいますが、簡単なベトナム文字で表現されるベトナム語の方が深く勉強するのは大変だと思います。