タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

Pattayaでのリタイヤライフです。旅行/日常生活/ゴルフ/鳥見/タイ語学習

ハノイの火災

ニュースからいろいろなキーワードを拾うと
・火災現場はハノイ市タインスワン区
 ハノイはwikiによれば人口800万人(2019)なのですが、他の東南アジア諸国の首都と張り合うために、私がベトナム駐在していた頃にハディン省という隣県(当時の人口250万人)を吸収合併して大都市圏を形成しました。愛知が岐阜を福岡が佐賀を吸収合併して大きくなったようなものです。
 旧ハディン省は拡大するハノイの人口を吸収するためのベッドタウンとしての位置づけで、火災現場はその中でもハノイ中心部に近いエリアではありますが、人口急増にインフラが追い付かない地区ではあります。


・狭い路地の奥の集合住宅
 ベトナムは国家が土地を所有し、人民は使用権を国(地方行政)から購入し、その使用権が所有権みたいな形で売買されます。
 何もない土地に道路を作り、その沿線の土地を行政が人民に売って地方財政の足しにしますが、この際、間口に比例して土地代が上がります。道路と接していなく、広い道路から路地の奥は安い土地になります。
 ですから人民が自宅を持つ場合、基本的に間口3mとか4mなど非常に幅が狭い土地で奥行きの長い「ウナギの寝床」のような宅地になります。
 集合住宅だと細い路地だけで主要道路に取り付き、路地の奥の奥に団地群が建設されます。人民の家には駐車場とか庭はほとんどなく、3階建て4階建ての狭いビルになるわけですが、車などを持っていれば基本的に路上駐車で狭い路地に車を止めるため、消防車は入っていけません


・10階建てで非常階段なし
 一応、ベトナムにも建築基準法はありますが、ほとんど適用されていません。 
 私がベトナム駐在の時、事務所は最初国の組織の一部に間借りし、その後は日系デベロッパーが作った事務所ビルの中に入居したので、面倒なことはありませんでした。
 消防署の査察などもありますが、不備があれば心づけを渡して基準を満足しているという書類が作られるだけのようです。 

 タイでも1997年にパタヤで大火災事故があり、それ以来、集合住宅の防火体制が厳格化され現在に至ります。


 ベトナムは確かに貧乏な国なのですが、近年、近代国家への道を歩いているわけです。
 ただ意識のどこかに「俺たちは貧しい、だから仕方ないのだ」という感覚があり、安全とか安心は二の次で足早に先進諸国に追いつこうとしています。


 どこかで人民の意識を変える事象が発生し、自らが振り返ることが必要なのだと思います。
 50人の方が亡くなったという悲惨な火災ですが、ベトナムが近代的な国家になるための生みの苦しみみたいになればとは思いますが、どうかな、、、
++++
 日本だって、ホテルニュージャパン火災その他の事故というか事件があって、今のような安心できるホテルがあるわけですよね。