アユタヤ⑪
プラサート・ナコン・ルアンです。
煉瓦で非常に大きな基壇が作られています。一見、城砦のようにも見えます。
寺の名前はナコンルアン=王都ですが、この地区、、、地区名もナコンルアンですが、王都だったことはなく、周辺を見てもすぐそばに仏塔を備えた寺院が一つあるだけで、このあたりが宗教都市であったような感じもありません。
アユタヤを囲むパセーク川の上流沿いにあり、何かの際にアユタヤの王が立ちよって、宗教儀式を行ったという感じです。
基壇の上に回廊が3周取り巻いていて、ここは外周の回廊です。
基壇を築くことも、回廊を設けることもアユタヤ的ではありません。アユタヤ初期と被るクメール寺院の影響を受けたようにも思えます。ただし、この寺の現状を見ると、それほど古くは見えず、クメールとは時代が合いません。、、、不思議な建造物です。
2階部の回廊から見た最上階を巡る壁です。この寺は横に大きなお寺があり、その一部のような形で現存しており、この寺そのものも宗教施設として使われているためか、白い漆喰で覆われています、、、多分、現代になって漆喰が塗られた感じです。
なお、創建当初は、全面的に漆喰が塗られていたと思われます。
最上階の回廊に備えられている仏像群。
残念なことに、、、といいましょうか、白い漆喰?あるいはペンキで古い仏像が上塗りされています。
表面の白いペンキがはがれ、顔から腕にかけて仏像の素肌に当たるところが出ており、もとの肌は黒く仕上げられていて、一部に鍍金された痕も見られます。最初は金色に光り輝く仏様であったと思われます。
足の部分は衣服を付けていると思われますが、これは赤いもののようですね。
白く塗った時は、それはそれでよかったのかもしれませんが、今から見ると、文化財の破壊行為に近いと思います。
このお寺のメイン、仏足石です。先代のラーマ九世プミポン国王も参詣に訪れたようで、その時の古い写真が残っています。
この仏足石を取り囲むように4面に仏様が祭られていますが、この正面の仏像のみ金剛製(金物でできた仏)で、メインの仏様のようです。
仏様側から見た足跡。大小4つの足跡が刻まれています。
タイは煉瓦とモルタルで何でも作ってしまいますが、これは一枚の大きな自然石を刻んだもののようで、非常に大きなものです。
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