フィルターのお話
今回、日本で購入したフィルターは3種類。
ちょっと専門的です。
最近勉強したものを、自分なりに取りまとめたもの。
① 基本のフィルター
人間の目は紫外線領域(UV)や赤外線領域(IR)を見ることはできません。
あくまでも可視光の領域しか見えないわけです。
しかし、実際の世の中にUV/IRも飛び交っているわけです。
望遠鏡は人の目で見ることを前提としているので、UV/IRでは焦点を結びづらい設計とな
っていて、UV/IRの像はぼやけることになりますが、人間の目はこれらの領域を見ることが
できないで、問題がないわけです。
ところが、CMOSカメラはUV/IR領域の光も光として認識してしまい、結局、ぼやけた像
を光素子に写し込んでしまい、結果として白いぼやけた写真になってしまいます。
これを防ぐために、UV/IRをカットするフィルターを用いることになります。
可視光領域以外はほぼ通さず、可視光のみ通すフィルター性能を示しています。
人間の目が感じる領域が写せますので、一番自然な写真が写せます。
街の光がない、暗い夜空のところで使いたいフィルターです。
② イオン化した水素の光に照らされた散光星雲を写すためのフィルター
星雲の中には赤い星雲が多く、散光星雲と呼ばれています。
オリオン大星雲、バラ星雲などですが、これらは輝線スペクトルと呼ばれる幾つかの波長
の光に照らされている星雲です。
Hα、Hβ、OⅢ、SⅡという4本の輝線スペクトルを選択的に透過するフィルターです。
このフィルターは①と同様にUV/IR領域をカットするとともに、都市光害の代表である水
銀灯やナトリウムランプの波長もカットできています。
パタヤは都市の光に埋もれた街ですが、このフィルターを使うことにより、パタヤの光害
に打ち勝って、星を見ることができるフィルターです。
③ ②ベースでより自然な発色を得られるフィルター
光の三原色は赤と緑と青です。
②は赤い星雲を強調して写すことができますが、青い領域の光を通さないので、ちょっと
不自然な色合いになります。それを補うものがこのフィルター。
星の中で生まれたばかりの星々は青い星が多いです、、、例えば、すばるの星々。
このフィルターは街の光を削除しつつ、青の波長を透過できるので青い星々をきれいに撮影でいます。また天の川銀河の外にある銀河、例えばアンドロメダ銀河などだと、自然な色合いに撮影できるフィルターのようです。
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ということで、今回の日本一時帰国では、3種類のフィルターを持ち帰りました。
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