タイランド湾を見て暮らす・パタヤコージーライフ

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掃天(そうてん)

 掃天(そうてん)という言葉、天を掃くですが、一応、天文の専門用語として
オフィシャルに使われているようです。


 天体観測は掃天観測、指向観測に分かれるようで、指向観測は特定の天体を観測するもの
であるのに対し、掃天観測は一定範囲の夜空を満遍なく観測することをいうようです。

 双眼鏡の支持架台は経緯台と言われる形式で、上下と左右方向に動かすことができます。


 今回日本で購入したNikon 10×70は口径70㎜、倍率10倍の双眼鏡で、視界は5.1度です。
 地平線付近は建物とか町の灯があり星は見えないので、20度くらいに傾けて、掃天して
いきます。


 双眼鏡を軽く水平方向に押すと、架台は角度を保ったまま水平方向に移動していきます。
 三脚にぶつかるなどするので、バルコニーから見える視界を二つに分け、左側の南東
方向、右側の南西~西方向を、それぞれ同じ高度を保ったまま水平に動かし、バルコニー
端に達したところで、望遠鏡を視野分だけ上に向け、水平逆方向に動かします。
 双眼鏡視界は5.1度なので、一往復すると約10度分の空が掃天できたことになります。


 水平方向に動かして掃天するのは、こうすると目の高さが一定に保てるからです。
 理屈的にいえば6-7往復すれば天頂部まで見えることになりますが、実際にはバルコニー
の屋根が張出しているので、60度くらいまで見えるか見えないかです。
 バルコニーの手すりギリギリまで寄れればいいのですが、三脚の足があって手すりまでは
寄れません。


 しかし、星は天の北極南極を結ぶ軸周りに回っているように見えるので、1時間2時間後に
同じ作業を繰り返すと、前回見えなかった範囲の星が見えます。 

 プラネタリウムアプリで見る、いて座の天の川方向です。
 双眼鏡で見ると、緑色のトレミー星団(メシエ7)と、黄色いバタフライ星団(メシエ6)
が一つの視野内に収まるように見えます。


 アプリ画面には赤い星雲が二つ見えています。これらは人間の眼には見えないHα領域という波長の光なので、残念ながら双眼鏡では見えません。
 しかし特殊フィルターを付けた電視観望では鮮やかに見えるはずなので、次回、天候が回復したら電視観望で見たいと思っています。