天体写真の方向性
大学生の頃、15㎝のニュートン反射望遠鏡を自作して、山に持って行って、星雲とか星団
を眺めていました。
星雲は我が地球がある銀河星雲と同じような超巨大な星の集団。
星団は銀河系内にある星の集団。
水平儀という上下左右の2軸で動く望遠鏡で、基本は「観望」で、写真撮影には不向き
というか不可能な構造でした。
写真はネットで拾ったもの 私が自作したものはこんなに立派なものではありません
写真撮影には、赤道儀という天の軸に平行な軸周りにカメラを回転させる機械が必要で、
星の動く速度に合わせる自動追尾モーターが付いているものもあります。しかし、
電源も不安定、モーターも気ままに動くので、主望遠鏡で別途、星のずれを調整しながら
30分、1時間と、望遠鏡視界の十字に星を固定させて、フィルムに感光させていました。
フィルムがデジタルカメラに変わっても、天体撮影の基本は余り変わっていません。
ただし、「革新的な」天体望遠鏡も昨今では出現しているようです。
40年ぶり以上で、天体写真を再開するにあたり、自分の頭を整理しておくべきかなと。
天体写真の方向性を考えるに、対象/精度という観点で、4つの方向性があります。
① 広角レンズを使った星空の固定撮影
広角レンズと三脚があれば、撮影可能です。ただし時間がたつと星が動いてしまうので、
撮影秒数は30秒程度まで。星の濃さは撮影秒数に比例しますが、秒数を伸ばしても、
人工灯の少ないところでないと、画面全体が白くなってしまうだけなので、
逆にタイのような空の暗いところであれば、それなりの写真撮影が可能。
② 広角レンズを使った星空の追尾撮影
現在、数万円~10万円程度で三脚雲台に取り付ける簡易赤道儀が販売されています。
自動追尾で、軸合せも簡便。撮影秒数を120とか150とかに伸ばせ、暗い空であれば、
いい写真が撮れます。星空撮影であれば、ここまで投資すれば、究極とも言えます。
③ 望遠レンズと赤道儀を使った星雲星団の追尾撮影
②の簡易赤道儀か、追尾用に本格的な赤道儀付き望遠鏡を揃え、手持ちの鳥用望遠レンズ
を搭載して、撮影を行うもの。
簡易か本格的かは、望遠レンズの焦点とか、露光時間で変わります。
単純に考えて、淡い星雲を確実に捉えようとするとレンズ焦点距離は伸び、
また時に1時間を超える露光時間になるため、追尾精度を考えれば、
赤道儀は本格的なものでないとダメそうです。
本格的な赤道儀付き望遠鏡は重くて、セッティングも精度が必要なので時間が掛かります
さらに大きな問題として、星雲や星団の位置は星図をみればわかりますが、
その位置を望遠レンズに導入するのは厄介な仕事です。
ここまで書いてきて、自分でやるのは嫌だな、、、この選択肢はない、、、と思い始めています
実は、高校大学時代の天文部仲間には、このような面倒なことをやっている人が多く、
当時の私は横目で見ながら、
「お前ら、星を見に来ているのに、星を見ず単に星の点を追いかけているだけだろ」と。
やっても、お手軽赤道儀と短めの望遠レンズでどこまで写せるのかという程度?
④ 専用機材による星雲星団の追尾撮影
eVscope 2 Smart Telescope Overview
光学系はNikonが作っているので、現時点では最良で手間いらずの望遠鏡です。
自動追尾、自動導入、スマホタブレットでの画像保存。
お手軽といえばこれほどお手軽なものはなさそうです。
据え付け精度もそれほど必要なさそうです。
従前、据付精度が必要だったのは、画角内で画像が移動/回転するのを防ぐためでした
この機械はデータ処理で水平垂直移動/回転を補正してしまうようです。
値段は日本円で40万円ほど。
しばらくは広角レンズの固定で、星空の流れるような銀河の写真を撮り続け、
その次の段階で、簡易赤道儀での星空撮影 and/or 専用機材による星雲星団撮影、、、
そんな道筋になりそうです。
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