EdgeHD800 当面の運用
次回の日本帰国で持ち帰る予定のEdgeHD800鏡筒。
Φ203㎜、焦点距離2032㎜です。
この鏡筒で見ようとする天体は、当面は惑星状星雲と系外銀河で、前者は倍率を上げ拡大してみることになり、後者は近赤外(NIR)波長+モノクロカメラで見ることになります。
課題としては、
前者:センサーサイズの小さな天体カメラで拡大しようとすると、天体の自動導入をプレートソルビングできるかどうか不明。拡大すると視野が狭くなり検索できる星の数が減ってうまく導入できなくなる恐れがあります。
後者:自動導入/自動追尾ソフトはASIAIRを使用しており、これはZWO社のカメラを使用することが前提の機器。対してモノクロカメラはPlayerOne社のもの。PlayerOne社のカメラでは自動導入も撮像もできません。
https://kyoei-tokyo-astrodivision.hatenablog.jp/entry/2022/02/07/160133
上記は、今回EdgeHD800鏡筒を購入したネイチャーショップKYOEI東京さんのブログ。
EggeHD800とASI2600天体カメラで全く問題なく天体が導入できるという内容になっています。
写真で緑色に見えるのは通称「ふくろう星雲」M97惑星状星雲です。
このふくろう星雲は惑星状星雲の中でも大きな部類であり、拡大しなくてもきれいに見えるものです、、、私の場合はこれより小さい惑星状星雲も見たいという欲張りな発想。
この事例で使用しているASI2600という天体カメラはAPS-CサイズのCMOSチップを搭載しているカメラで、天体カメラの中ではセンサーサイズが大きな部類になっています。
上表は私が所有しているカメラを並べ、最下段にASI2600を加えたものです。
EdgeHD800と組み合わせると短辺長で0.443度の画角になります。
私が前回、手持ちのASI662カメラを使ってSV-Φ102鏡筒で自動導入を失敗した際の画角は0.289度であり、一回り以上画角が狭かったことがわかります。
別の文献によれば、同じAPS-Cセンサーカメラで焦点距離2700㎜でも自動導入は可能という記事を目にしたことがあり、この場合だと0.333度の画角になります。
EdgeHD800を使って、この0.333画角になるのはASI533カメラであることがわかります。
すなわち、天体を自動導入するまではASI533カメラを使い、その後、拡大用のカメラやモノクロカメラに切り替えれば、何となくうまくいきそうな感じがします。
こんな感じのもので見られればいいなと思っている図。
四角い箱はフィリップミラーで、レバー操作することで光路が直角方向に折れ曲がります
直進方向の大きなカメラで天体を自動導入。
その後、光を直角方向に曲げて、写真では小さな拡大率の大きなカメラを取付けて目標天体を撮影します。近赤外の場合はここにモノクロカメラが取り付きます。
改めてこの良さを考えると、天体を導入する際はIRカットフィルターを付けて比較的明るい視野で天体を導入できます。
実際に天体を撮影する際には、惑星状星雲の場合はHα等の輝線スペクトルを選択透過するフィルタを、また系外銀河の場合はIRパスフィルタを装着して撮影することになり、画面は相対的に暗くなりますが、フィリップカメラで2台の天体カメラを使い分けると、それぞれの用途に従って使い分けられます。
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