菊
前回、日本に帰った時に機内での時間を潰すのに使ったのは漢検準1級問題集でした。
そのなかで、「訊鞠」(じんきく)という読みがあり、「ああ変な読みだな、、、」と。
訊鞠は罪状などを問いただすという意味で、類義語として尋問があります。
例えば、尋問だと、尋ねると問うが組み合わさって、発音は音読みのジンモンになり、当然訓読みとしては「たずねる」と「とう」となります。
では同じように訊鞠は?というと、音読みはジンモン、訓読みは訊ねる(たずねる)で、鞠には音読みしかなく訓読みはありません。
漢字の読みはカテゴリを表わす偏と、読みを表わす旁からなりますが、「鞠」の読みはキクですが、この場合の読みは音読みです。
菊って、日本の野山でも見られる野草なので、当然、訓読みだと思うわけですが、漢和辞典点的に分類すると、キクは音読みで、菊には訓読みがありません。
梅なども日本には弥生時代に伝わったようですが、梅干しのような形で食用薬用に育てられ、時を経て中国語由来の「バイ」から「うめ」に変わったわけです。
調べると、万葉集には菊を読んだ歌はないそうです。
あくまでも推定ですが平安初期に日本に伝わったようで、これも生花というよりは漢方薬としてだったようです。
菊と言えば「菊のご紋章」なわけで、何となくのイメージとして日本古来から伝わる「日本の花」と思いがちですが、実は外来種でそれも訓読みが存在しないほど、日本には最近入った草花だということがわかります。
でも違った見方をすれば、梅における「バイ」よりも「キク」という音は、聞くなどの和語にもある音で、人々が外来語のまま和語のような使い方をしただけ、ということなのかもしれません。
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